MTGで遊び倒す!

マジック:ザ・ギャザリングで遊び倒す話を延々とする

【ヒストリック】MTGアリーナに降臨した《王神の贈り物》

MTGアリーナでは8月14日に『アモンケットリマスター』が実装されました。

mtg-jp.com

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MTGアリーナに「アモンケット」「破滅の刻」のカードが多数収録され、ヒストリックのカードプールに加わりました。汎用カードからアーキタイプの軸になるカードまで幅広く追加されたことにより、ますます盛り上がりを見せています。

今回注目するのはかつてのスタンダードで活躍したこのカード。f:id:naito-horizon:20200822202349p:plain
《王神の贈り物》です。

基本的な動き

イクサラン以降にマジックを始めた方のために簡単に解説します。(ご存知の方はこの章は読み飛ばしてください。)
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《王神の贈り物》は、毎ターン疑似リアニメイトを行う強力なカードです。戦闘開始時に、墓地からクリーチャー・カードを1枚追放し、そのコピーのクリーチャー・トークンを生成します。基本のp/tが4/4に変更されているので、小粒クリーチャーも大きなサイズで戦線に加わることになります。

#元々、「灯争大戦」でラヴニカを襲った永遠衆は、アモンケットで各種試練を乗り越えて選別された戦士たち。このカードは、彼らが永遠衆に改造されていく工廠そのものを表しています。

 

《王神の贈り物》には専用のサポートカード、《来世への門》があります。f:id:naito-horizon:20200822202352p:plain
このカードの効果で、《王神の贈り物》を直接戦場に出すことができます。起動には墓地にクリーチャー・カードが6枚以上必要なので、高速で墓地を肥やすことが重要です。

《王神の贈り物》が戦場に出たら、毎ターン墓地からカードを選んで追放、そのクリーチャー・トークンで盤面を埋めて勝利を目指します。

↓さて、どれにしようかな?
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キーカード2枚が無色のアーティファクトなので、好きな色を選んでデッキを組むことができます。多くの場合、ドローとディスカードが得意な青や墓地肥やしが得意な黒を使いますが、過去には《スカークの炭鉱者》を合わせた赤単王神が活躍したこともあります。
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サンプルデッキリスト

青黒王神(ヒストリックBO3)

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メインボード

上記の通り、墓地肥やしと相性の良い青黒で組んだタイプです。

キーカードその①:《湖に潜む者、エムリー》
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墓地肥やしの過程で墓地に堕ちてしまった《来世への門》を墓地から唱えることができます。エムリー自身も4枚切削することができ、墓地肥やしとしても活躍。このデッキに最適なカードといえるでしょう。

エムリーを支えるアーティファクトカウントとして《羽ばたき飛行機械》《石とぐろの海蛇》を入れています。

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エムリーを早期に唱えるためだけでなく、《忘れられた神々の僧侶》の生け贄要員として、《王神の贈り物》の設置後は4/4クリーチャーとして戦線を固める等、様々な役割を持っています。海蛇はX=0で唱えると即座に墓地に落ちるところもこのデッキでは◎。《来世への門》の誘発や墓地カウントの水増しに活用できます。

キーカードその②:《悪魔の職工》

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上で紹介したエムリーをライブラリーからサーチできますが、一番のポイントは単体のサイズ。《王神の贈り物》で生成したトークンは基本のp/tは4/4となり、そこに修正値が乗ります。それまでに肥やした墓地のカードと合わせてワンショットでゲームを決めることも可能になっています。

サイドボード

《王神の贈り物》を中心に組んでいるため、サイド後は墓地対策との戦いになります。特に昨今はサクリファイスやウーロを採用したデッキが多く、墓地に対するマークは厳しめになっています。

特に《漁る軟泥》《夢を引き裂く者、アショク》が問題になるので、それに対抗するために《取り除き》をサイドに積んでいます。

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デッキの構造上、墓地肥やしするパーツを全て抜くのは難しいため、《死の権威、リリアナ》等、肥えた墓地を活かしつつも他の勝ち筋も提供してくれるカードも有力です。

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全体的な方針としては、メインの勝ち筋を残しつつ、別の勝ち筋を入れることによって、墓地対策1枚で負けないようにします。

バリエーション

構築で採用する色の自由度が高いため、「釣り上げる」クリーチャーにも様々なバリエーションが考えられます。その中でも特に強力な一枚が、《戦闘の祝賀者》です。
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攻撃するに際し督励することにより、追加の戦闘フェイズを得ることができます。この場合、もう一度戦闘開始時の効果が誘発するため、再度《王神の贈り物》でトークンを生成することが可能になります。

墓地に落ちてしまえば色は関係ないので、強力なETB能力や攻撃時能力を持つカードは入れ得です。ただし、墓地対策されてしまうと素出しできないカードは無駄牌になるので、サイド後は素出し可能なカードに入れ替えたほうが良いでしょう。

《王神の贈り物》と《墓掘りの檻》

墓地対策でサイドインされることが多い《墓掘りの檻》ですが、《王神の贈り物》には直接的な対策になっていません。

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《王神の贈り物》は墓地にあるカードを追放し、そのコピーのトークンを生成するのであり、墓地から戦場に出すのではないからです。

そのため、対サクリファイスなど《墓掘りの檻》が有効なマッチアップではこちらから《墓掘りの檻》を投入することもあり得ます(その場合、エムリーはサイドアウト)。

↓対ラクドスパイロマンサー。《墓掘りの檻》を張って相手の動きを縛り、こちらは《虐殺のワーム》素出しして勝利を目指す。

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また、《王神の贈り物》は誘発型能力の誘発時に対象を取っていません。一度《王神の贈り物》の効果を解決すると、「カードを選んで、追放し、トークンを生成する」までが一連の手順となります。この間に墓地対策で割り込むことができません。また、追放自体も任意なので、都合が悪い場合は、カードを選ばないことも可能です。

ルールが若干複雑ですが、ゲームの形勢に直結する部分ですので、覚えておいて損はないポイントと思います。

さいごに

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『アモンケットリマスター』が懐かしいという人も、当時MTGに触れていなくて新鮮という人も、大いに楽しめるカードが収録されたという印象です。これを機にヒストリックが一層盛り上がっていったら良いなと思います。

今回はここまで、最後までお読みいただきありがとうございました。