オリジナルデッキを調整するにあたって環境理解が必要だ。そこで、今回はフロンティアのメタゲーム上に存在するデッキを考察する。
現在(〜ラヴニカの献身)、フロンティアには大きく分けて下記のデッキが存在する。
右の数字は大会上位入賞数
(2019.04.11調べ)
■青黒系コントロール 12
■赤単・赤黒アグロ 10
■アークライトレッド 4
■白青黒アグロ 3
■魂込めビートダウン 3
■バント中隊 3
■エルドラージランプ 2
■霊気池の脅威 2
■ドレッジ 1
登録数1以下のデッキを除く。ただしドレッジは今は少ないがラヴニカのギルド期に大幅に数を増やしたので例外的に取り上げる。
今回は上から3つ
■青黒系コントロール
サンプルリスト https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/225228/show/
青黒ベースに2色または3色で組まれる。ヴィンテージでも制限されるパワーカード、《時を越えた探索》を4枚採用する。
白を含む理由は《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《吸収》、《屈辱》である。マナベースが2色に比べて多少苦しくなる代わりに、さらに対応力が向上する。フロンティアでも着地すると負ける置物はいくつかあり、それらへの対策は欲しい。しかし、青黒2色でも十分なデッキパワーを持っている。それほどまでに《時を越えた探索》は強力なカードだ。
デッキの動きは、他フォーマットの青系コントロールと同様、軽量のカウンターと除去スペルで序盤を捌き、後半に《奔流の機械巨人》といった重量フィニッシャーでゲームを締める。カウンターに《不許可》を採用できるため、《約束された終末、エムラクール》のキャスト時誘発も打ち消すことが可能である。
フィニッシャー枠は、青黒の場合は《ゲトの裏切り者、カリタス》と《奔流の機械巨人》、たまに《スカラベの神》、青黒白の場合は追加で《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《変遷の龍、クロミウム》等。
なお、緑を除く4色で組まれる場合もある。白青黒コントロールに《コラガンの命令》を加えてさらに強化されるが、その分、マナベースには猛烈な負荷がかかる。
対応力が高く、弱点らしい弱点が少ない。噛み合い次第になるが、赤単には秒速で焼き切られる恐れがある。またメインで全体除去を取ることが少ないため、ドレッジの横並びからの《悪戦//苦闘》でハンドを落とされて苦戦することもある。サイド後はこれらのデッキに対する勝率を上げるため、《才気ある霊基体》、《鞭打つ触手》などをサイドインすることが多い。
■赤系アグロ
サンプルリスト https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/225226/show/
赤単色、まれにタッチ黒、ごくまれにタッチ緑(《燃えがら蔦》のため)で組まれる。メインは《僧院の速槍》や《損魂魔道士》といった軽い果敢持ちクリーチャーを、軽い火力や《舞台照らし》で強化して削り切ることを目指す。スタンダードで禁止になった《ラムナプの遺跡》も4枚投入できるので、少々のマナフラッドにも耐性がある。
サイド後は、《熱烈の神、ハゾレト》や《反逆の先導者、チャンドラ》といった一枚で勝てるカードを水増ししたり、《溶岩コイル》等1枚で《ゲトの裏切り者、カリタス》を処理できるカードを加える。《密輸人の回転翼機》を加えたタイプもある。ライフゲインとタフ4以上の生物が苦手であり、《才気ある霊気体》や《ゲトの裏切り者、カリタス》がよく刺さる。《鞭打つ触手》のような全体除去も苦手だ。
■アークライトレッド
サンプルリスト https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/229430/show/
スタンダードに留まらずモダン、レガシーをも賑わす《弧光のフェニックス》がフロンティアでも大暴れ。フロンティアのアークライトレッドは青黒赤(グリクシス!)の3色で組まれる。《信仰なき物あさり》の代わりに《集団的蛮行》で弧光のフェニックスをディスカードする。《氷の中の存在》の高打点も健在だ。
リソースは平成のアンリコ、《宝船の巡航》で息切れを防止する。フロンティアには優秀な墓地対策が少ないため、周り出せば安定したクロックを見込める。少数の生物に依存する点で不安があるが、《集団的蛮行》のおかげで生存率を上げることができる。
モダンに比べると1マナドローソースが少ないため、2ターン目に《弧光のフェニックス》2体で攻撃、のようなぶん回りはないものの、安定して長期戦を戦うことができる。
今日はここまで。